社会人になったら親孝行ってよく聞くけどなんで?ww

俺の名前は山田拓也。

今年の春に高校を卒業して、イベントの企画会社で働いている。

やることは大きな企業の運動会やイベント、プロスポーツの試合を企画して運営する事だ。

じゃあまずは、俺のこれまでの人生を少し話そう。

町の小さな工場で働く父親とスーパーマーケットでパートをする母親という、どこにでもいるよくある普通の一家だ。兄弟は弟と妹がいて5人家族。

俺が小学生の頃は……、父親のすすめで書道を習い、母親のすすめでソロバンも習ってた。

あのころは真面目だったなあ。特に反抗する事も無かったし、書道やソロバンも休まず通ったし、弟と妹の面倒もよく見てたし。

中学校に進学してからはちょっとヤンチャしたかな。友人関係がガラッと変わってね。

学校の中でも1番のヤンチャグループに所属してさ。

あのころは正直楽しかったよ。毎日夜の12時過ぎまで友人たちと遊んでてね。

でもさ、両親は「他人に迷惑になる事だけはやるなよ」と言うだけで、厳しく叱る事はなかったなあ。おかげで俺は夜遅くまで色んなことして毎日フィーバーしてたぜ。

ちょうどあの頃はさ、別に両親が嫌いになったわけじゃあ無いんだけど、あまり会話をしなくなったね。

いわゆる反抗期って奴かな? といっても反抗する訳じゃないけど。ただ会話がなくなっただけ。

父親は元々無口だったから会話は無く、っていうか話すことが思いつかなかったんだ。

一方母親の方は色々話しかけてくるんだけど、適当に気の無いような返事をするだけだったなあ。

高校に入ってからはアルバイトを週2回始めたけど、やっぱり変わらず友人と毎晩遊んでたわ。

幸い学校や警察に呼ばれるような事はないよ。やっぱり根が真面目だったからかな? ヤンチャはしてたけどそこまでワルじゃあなかったからね。

そんな時さ、アルバイトの先輩の誘いでイベントの手伝いに何度か行った事があるんだ。それが今の就職先ってわけ。

そんなこんなで俺は就職して、仕事に関して大きく気づいた事が二つあったんだ。

一つはそれは仕事の大変さ、もう一つは俺が得意として学んできた事が結構役に立つと言う事だね。

一つはそれは仕事の大変さ、もう一つは俺が得意として学んできた事が結構役に立つと言う事だね。さ、高校時代にも何度か今の就職先の手伝いには行ったけど、やっぱアルバイトと正社員では責任感が全然違うよ。

アルバイトの時は許されていたミスが、社会人になると一変して上司に報告して叱られたり、時には取引先に謝罪に行ったりしないといけないこともあったよ。

きっと俺がアルバイト時代にやってたミスは、正社員の人が変わってカバーしてたんだろうなあ。

もう一個気づいたことは、俺の隠れていた特技が結構活かせる事だったよ。

イベントの企画の下書きや手紙とかって手書きで書く時がよくあるんだよ。

そんとき俺の字が読み易いと他の社員から結構好評でね。

あとイベントの集計等を行う時には、俺の計算の速さがとても役に立ったんだ。

コレも全部俺が小さいころに、父親が書道をすすめ、母親がソロバンをすすめてくれたおかげだよ。

俺の見た目は童顔で子供っぽく、まだまだ遊びたい盛りのヤンチャな雰囲気なんだけど、それなのに字が上手く、計算が得意なのは、他の社員にとっては大きなギャップになったみたいでさ、みんないい意味で驚いてたな。

まさか何も考えずに習ってた書道とソロバンが、社会に出てこんなに役に立つなんて思わなかったぜ。まさかのフラグ回収。

まるで魔法だよ。両親は勉強が得意では無い俺のために、ひょっとしたら未来で上手くいくように予知して学ばせたのかとも思ったよ。

俺の両親は預言者かよ。

こうして就職してるとさ、両親に対する気持ちが大きく変わっていくのさ。

昔はなんとも思わなかったけど、今になって素直に感謝の気持ちを感じるようになったんだ。だって今俺が上手くやれてるのは、昔習わせてくれた習字とソロバンのおかげだからな。あの時両親の言うとおりにしてなかったら、ひょっとして今職場で上手くやってけなかったかもしれないしね。

だったら感謝するしかないよ。頭が上がらないね。

俺は両親にお礼を言いたかったんだが、やっぱ照れ臭くて、そんな言えないじゃん? 恥ずかしいだろ? みんなもいざ両親の前でお礼とか言えるか? 難しいだろ。

どうすれば照れずに、感謝の気持ちを伝えれるか、悩む日々が続いた。

考えろ! 考えろ山田拓也。俺はやれば出来る子! 何かあるはずだ!

そこで俺なりに考えて、勇気を出してお礼を両親にある日の夜にぶつけてることにしたんだ。

「次の給料が出たら俺のおごりで焼肉食いに行かない?」

これが俺の考えたお礼だよ。ベタ過ぎるって? まぁいいじゃないか。やっぱりシンプルなのが一番さ。

そしたらさ、父親は少しびっくりした様子で、俺の顔を見てくれたんだ。

母親は嬉しそうに何度か頷いてくれたよ。

直接的なお礼はやっぱ照れくさくて言えなかったけど、俺にとってはこれが精一杯の両親への感謝の言葉だったんだ。自分でも素直じゃないと思うよ。でも両親にも気持ちが伝わったと思う。

こうして次の給料日の後、家族全員で焼肉を食べに行ったんだ。

その日を境に両親とも変な感情無く気さくに、色々と話せるようになった。めでたしめでたし。

俺、山田拓也の話はここで終わり。今度は君たちの番だ。これから就職についたとき、昔の習い事が思わぬ役に立つ事がある。だからどんな事も無駄にはならない。俺はそういいたかったんだ。

もし上手くいったらそん時は両親に感謝しなよ。じゃ!